勝手にOVA脚本 おジャ魔女どれみドッカ〜ン! 8・5話「のぶちゃんの失恋」(仮題) ペペロン 9-dream@pop06.odn.ne.jp http://www95.sakura.ne.jp/~z9-dream/ 【1】(教会の中) で、結婚式が行われている。神父が進行をする。 神 父「新郎、信彦」 スーツ姿の信彦が神妙にこたえる。 信 彦「はい」 神 父「汝、横川信彦は、妹尾あいこを妻とし、貧しいときも、 富めるときも、病め るときも、健やかなるときも、その命ある限り、妻として愛することを誓い ますか?」 信 彦「誓います」 神 父「新婦、あいこ」 ウェディングドレス姿のあいこが神妙にこたえる。 あいこ「はい」 神 父「汝、妹尾あいこは、横川信彦を夫とし、貧しいときも、 富めるときも、病め るときも、健やかなるときも、その命ある限り、妻として愛することを誓い ますか?」 あいこ「誓います」 神 父「それでは指輪の交換を……」 幸せそうに指輪交換をする二人。 【2】(教会の遠景) 鐘の音が鳴り、新しい夫婦の誕生を祝福する。 × × (オープニング) × × 【3】(あいこの部屋) で、あいこが勉強机に座っている。 机の上にはノートが一冊。表紙には『二人の秘密 作:横川信子』と書いて ある。あいこは何気ない風にノートを手に持ち、開きかける。 あいこ「絶対1人で見てって言うてたけど、なんでやろう」 × × (あいこの回想シーン・開始) × × 【4】あいこの回想シーン(美空小・全景) 【5】あいこの回想シーン(美空小・校舎裏) 美空小のチャイムが鳴っている。 あいこが校舎裏に着くと、信子は既に待っていた。 あいこ「どないしたん信ちゃん。こんなとこに呼び出して」 もじもじしている信子。少し挙動不審でもある。 信 子「あ、あのっ……。この間の漫画、どうだった?」 あいこ「ああ、ごめんなぁ。あの本、まだ返してへんかったよね」 信 子「ううん、それはまた今度でもいいの」 ― 1 ― あいこ「めっちゃ面白かったで。特に林野君がダークアゴーって、そのまんまやん。 ちょっと酷いんちゃう? あははっ。特にハナちゃんは自分が主人公やから 大喜びしてたわ」 身振り手振りを加え、みんなで漫画を楽しんだ様子を説明するあいこ。 信子は持っていたノート(ラブレター)を渡すのに緊張している。 ノートをあいこに見せる。 信 子「そう、よかった。それでね、新しい本が完成したの。今度のは久々に漫画じ ゃなくて小説なの、それでね……」 何も知らないあいこは、いつもの明るい調子で言う。 あいこ「え、ホンマ? ありがとう。いや〜、今度はどんなお話なんやろなぁ。MA HO堂のみんなも喜ぶでぇ〜」 信 子「あのね、この本は、他の人には見せて欲しくないの」 あいこ「え、なんで? 信ちゃんの小説、面白いからみんなで楽しまな損やん。それ に後で私だけ読んでたことがバレたら、どれみちゃん達にコラ〜ッて怒られ てまうわ〜」 信子は真剣な顔になり、強く懇願するように、 信 子「この本はみほみほにも誰にも見せてないの。あいちゃんだけに読んで欲しい 本だから……」 少し間があり、信子の気迫に押されて同意する。 あいこ「うん、わかった」 不思議顔のあいこ。信子の真意には気づいていない。 × × (回想シーン・終了) × × 【6】(あいこの部屋) 回想前の続きで、ノートを開くあいこ。 中身がラブレターであることに気づき、驚く。 あいこ「あっ……」 ノートを開くと、左の裏表紙にはラブレターがテープで貼られている。 そして右のノート部分には、ラブレターに向いている大きな矢印と、可愛 い文字で『あいちゃんへ(ハートマークと女の子っぽいイラスト)』。 信子の真意に気づき、真面目な気持ちでラブレターを開ける。 × × (タイトル表示) × × 【7】(美空小・全景・昼) 【8】(美空小・廊下) 翌日、昼休みのチャイム。 信子が六年二組に向かって走る。 【9】(美空小・六年二組・昼休み) 信 子「あ・い・ちゅ・わ〜〜〜〜〜〜ん」 あいこの席に向かってジャンプする信子。 信 子「ぐげっ……」 席は空席で、目標物を見失った信子は、そのままズザーッと床を滑ってし まう。 周りのクラスメイト、はづきとおんぷはその様子に目が点。 ― 2 ― はづきとおんぷ、気を取り直して。 おんぷ「信子ちゃん、相変わらず元気ね」 はづき「だいじょうぶ?」 信子復活して。 信 子「あ〜〜ん、こんなの平気よぉ。それより、あいちゃんは?」 おんぷ「あいちゃんなら、ちょっとおトイレだって」 信 子「そうなんだ。じゃあ、ここで待たせてもらおうかしら。あいちゃんの席、う ふふっ」 嬉しそうにあいこの席に座る。 信 子「そうそう二人、あいちゃんから何か聞いたりしてない」 はづき「別に何も聴いてないけど……。おんぷちゃん、あいちゃん何か言ってたっけ?」 おんぷ「私も何も聴いてないけど。信子ちゃん、何かあるの?」 信子、しどろもどろになりながら、白々しく、でも嬉しそうに言う。 信 子「え、え、いや、別になんにもないんだけどねぇ〜」 昼休み終了のチャイムが鳴る。 信 子「あ、チャイムも鳴ったしクラスに帰らなきゃ。それじゃあねぇ〜、あいちゃ んによろしく〜」 急いで六年一組に帰る信子。 はづき・おんぷ「あやしぃ〜」 【10】(美空小・全景・夕方) 【11】(あいこの家・全景・夜) 【12】(美空小・全景・昼) 【13】(美空小・廊下)】 昼休みのチャイム。 信子が六年二組に向かって走る。 【14】(美空小・六年二組・昼休み) 信 子「あい・ちゅわ〜〜〜〜〜〜ん」 手を広げバレエを踊るようにクルクル回り、席に座っているはずのあいこ を捕まえようとする。 信 子「ぐげっ……」 が、あいこがいないので空回りし、勢いが止まらず壁に激突。 ギャグ調で明るいが、昨日より少し勢いは弱い。 周りのクラスメイト、はづきとおんぷはその様子に大きな汗マーク。 はづき・おんぷ「だはぁ〜(汗)」 信子、復活して、少し脅迫気味に、 信 子「あいちゃんは?」 はづきとおんぷ、気を取り直して。 はづき「あ、あのね、あいちゃん午後の授業で使う体操服忘れたから、さっき走って 取りに帰っちゃったの」 これは嘘。はづきとおんぷはあいこに信子と会いたくないから嘘をついて と頼まれている。理由は聞いていない。 × × (回想シーン・開始) × × 【15】はづきとおんぷの回想シーン(美空小・廊下) 廊下にあいこ、はづき、おんぷがいる。 ― 3 ― あいこ、手の平を合わせ頭を下げながら。明るめに。 あいこ「ごめん、今日ちょっと、信ちゃんが来たら、私が出かけてて、休み時間中に 帰ってこれへんて言うといてくれへん」 おんぷ「別にいいけど、なぜなの?」 あいこ、少し真剣に。 あいこ「ホンマごめんやけど、理由は言われへんねん。お願いやし」 おんぷ「うん、わかったわ。はづきちゃんも、いいよね」 はづき「え、ええ」 × × (回想シーン・終了) × × 【16】(美空小・六年二組・昼休み) 信 子「え〜、そうなのぉ。昨日もあいちゃんに会えなかったし、ほんとツいてない な」 がっかりして六年一組に帰る信子。 信子が帰った後、心配そうに。 はづき「あいちゃんと信ちゃん、何かあったのかしら」 おんぷ「喧嘩したって感じじゃあないみたいだけど」 はづき「私たちで、何かできることないかな……」 おんぷ「もう少し様子を見ましょう。あの二人なら、何か問題あっても、きっと自分 達で解決することができるはずよ。ね」 はづき「うん、そうね……」 【17】(あいこの家・全景・夜) 【18】(あいこの部屋・暗い) あいこが机に座っている。 天井を見つめ、悩むような寂しそうな顔をしている。 【19】(美空小・廊下) 昼休み時間のチャイム、信子が六年二組に向かって力なく歩く。 【20】(美空小・六年二組・昼休み) 怯えるように入ってくる信子。 あいこは居ない。 信 子「あの、あいちゃんは……」 はづき「あいちゃんは、あの、男子がサッカーの人数が足りないから入ってくれって 言われて、それで一緒にグラウンドに行ったわよ」 これは本当だが、あいこが信子を避けていることに気づき、気が重いはづ きとおんぷ。 信 子「そうなんだ……」 落ち込む信子。 教室の窓からグラウンドを眺めると、男子に混じってサッカーをしている あいこが小さく見える。 サッカーをするあいこを哀しげに見つめる信子。 おんぷ「信子ちゃん……」 心配そうにつぶやく。 信子の背中を見つめる二人。 × × (C・M) × × ― 4 ― 【21】(MAHO堂・全景) 【22】(MAHO堂・店内) 珍しくお客が来ているMAHO堂。 あいことハナが一階でお客の対応。 あいこ「おおきに〜、ありがとうございました〜」 どれみ、はづき、おんぷ、ももこは二階のテーブルで商品作りをしながら 噂話をしている。 どれみ「え〜っ。あいちゃんと信ちゃんがケンカ〜!」 どれみ、驚いて大きな声。 どれみ以外のその場のおジャ魔女が一斉に。 おジャ魔女「しぃ〜〜〜〜〜っ」 ももこ「も〜、あいちゃんに聴こえちゃうじゃない」 どれみ「面目ない……」 小さくなって、しょげるどれみ。 おジャ魔女、あいこの方を見る。 あいこに聴こえた様子はない。ホッとするおジャ魔女。 ももこ「ふぅ〜、聴こえなかったみたいね。それにしても、あのすっごく仲良しの二 人がケンカするなんて信じられないね〜」 どれみ「それで、それで、なんでケンカしたの?」 はづき「私達も原因は知らないの。何回か、それとなく聴いてみたんだけど」 おんぷ「それに喧嘩してるって訳でもないみたいなの。信子ちゃんはあいちゃんに会 いにきてるし。ただ、あいちゃんは今、信子ちゃんに会いたくないみたい」 どれみ「う〜〜ん、よくわかんないね」 おんぷ「そうなのよ。あいちゃんが意味もなく信子ちゃんを傷つけるようなことをす るとは思えないし」 全員で考え込む。 おジャ魔女「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」 ひょっこり現れるハナ。 そして遠慮ない大きな声で言う。 ハ ナ「え〜っ、なになにぃ〜? あいこと信子ちゃんが喧嘩したのぉ」 驚くおジャ魔女。 ももこ「わ〜っ、ハナちゃん、いつのまに!」 ハ ナ「も〜、ケンカは悪いことなんだよ。ハナちゃん知ってるもん。よ〜し、ハナ ちゃんがあいこを叱ってあげる。ママのくせに、あいこはしょうがないな〜。 ぷんぷん」 ハナがあいこを叱りに一階へ行こうとする。 どれみ「ちょ、ちょっとハナちゃん……」 止めようとするどれみ。 ハナとどれみが絡まってずっこける。 大きな音がする。 あいこ「なんや、なんや〜」 音につられて二階にやってくる。 ハ ナ「あ、あいこ。ちょっとここに来なさい。ハナちゃんが説教してあげるから!」 ズッコケ絡まりながら。 ― 5 ― ハ ナ「信子ちゃんとあいこは仲良しのはずでしょ〜。それが喧嘩するなんて。めッ、 なんだからねぇ〜。反省しなさい、反省、だいたいあいこは……」 ぶつぶつと小言のような説教が続く。 あいこはそれを受け流し。 あいこ「これは一体、どういうことなんかなぁ〜」 怖い顔でおジャ魔女を睨むあいこ。 どれみ・ももこ「いや、これは、その〜〜」 苦笑い。汗な二人。 はづき・おんぷ「ごめんなさい」 恐縮する二人。 少し間があって。 あいこ「いや、ええねん。悪いのは、私やから……」 あいこ、考えて。 あいこ「うん、明日、信ちゃんと話し合う。心配かけて、ごめんな」 決意を決めるあいこ。 そこに、丸山みほが息を切らしてMAHO堂に飛び込んでくる。 叫ぶように。 み ほ「はあ、はあ、妹尾さん、いる?」 あいこ、一階のみほがいる入り口付近へ移動。 切迫した様子に驚くように。 あいこ「みほちゃん、どうしたん?」 おジャ魔女達もあいこに続いて移動。 み ほ「信ちゃんが、信ちゃんがもう小説を書かないって」 おジャ魔女「ええーーーーーーーーーーーーーっ!」 驚く、あいこ以外のおジャ魔女。 あいこ「そうかあ……」 あいこは冷静に受け止める。 み ほ「やっぱり、妹尾さんは何か知ってるのね」 あいこ「それで、信ちゃんの様子はどうなん」 み ほ「うん。さっき私の家に来て、もう漫画を作るのは辞めたいって。小説を書く のも辞めるからって。私にごめんって謝って、そのまま走ってどこかへ行っ ちゃったの。信ちゃん、泣いてた……」 あいこ「……」 無言でみほの言葉を受け止める。 みほ、懇願するように目に涙を浮かべながら。 み ほ「私じゃ駄目なの。悔しいけど、私じゃ駄目なの。妹尾さんじゃないと駄目な のよ。私は信ちゃんがこういう時、どこに行ったかもわからない。でも、妹 尾さんならきっと、わかるのよね」 あいこ「うん、信ちゃんはきっと、あそこにいる……」 み ほ「やっぱり……。お願い妹尾さん、信子ちゃんを助けてあげて」 詰め寄るみほ。 安心させるように抱きとめるあいこ。 あいこ「うん、わかった。大丈夫。あたしが、なんとかするから。安心して」 み ほ「ほんとに?」 ― 6 ― あいこ「絶対に。ほな、行ってくるわ」 MAHO堂の外に勢いよく飛び出す。 み ほ「妹尾さんには、かなわないなぁ」 あいこの背を見ながら。 気持ちを落ち着かせて、少し笑うように、諦めるように言う。 【23】(住宅街・夕方) 川原に向かって走るあいこ。 走りながらモノローグで。 あいこ(信ちゃんゴメン。信ちゃんは私を本当に信用してくれたから、ホンマの気持 ちを打ち明けてくれたのに、それを私は逃げてしもた。信ちゃんの信用を裏 切ったんや。親友やのに! それが、信ちゃんを追い込んでもうた。ゴメン 信ちゃん……) 【24】(無印六話で仲直りした思い出の川原・夕方) 川原で落ち込み座り込んでいる信子。 川原に着き、信子を見つけるあいこ。 大きな声で、モノローグと繋がる感じで。 あいこ「信ちゃん!」 信 子「あ、あいちゃん」 信子驚いて言う。 ギャグ調にあたふたして、反射的に逃げようとする。 信 子「あわわわわわ(あたふたする)」 あいこ「信ちゃん、逃げやんとって!」 あいこの声を受け、逃げかけて背を向けた状態で止まる。 ここからは信子シリアス。 背を向けながら。 信 子「あいちゃん、どうして来たの」 信子の背中に向かって語る。 あいこ「みほちゃんがMAHO堂に来て教えてくれてん。それで信ちゃんを助けてっ て、信ちゃんが泣いてたって」 信 子「そう、みほみほが……」 あいこ「うん。みほちゃん、心配してたで」 信 子「でも別に、泣いてなんかいなかったわよ」 強がって言う。 信 子「よくこの場所がわかったわね」 あいこ「信ちゃん、悩んだり落ち込んだりした時、よくここに来るやん。それにここ は、私ら二人の思い出の場所やからな」 信 子「そっか。そうだよね。あいちゃんは何でもお見通しか……」 あいこ「信ちゃん、小説辞めるって言うたんやて」 信 子「だって、もう書く意味が無いんだもん」 あいこ「意味がない?」 信 子「私はずっとある人に思いを伝える為に小説を書いてきたの。私は口ベタだけ ど、変なお話を作るのは得意だったから。でもその人はなかなか気づいてく れなくて、だから直接活字で、初めてお話じゃない文章を書いたの」 あいこ「信ちゃん、あのな……」 ― 7 ― 信 子「イヤッ! 聴きたくない。あいちゃん、ずっと私から逃げてたもん。それが どういう事かぐらい、私だって解るわよ」 あいこの方を見ようともせず、耳をふさぎその場にしゃがみ込む。 あいこ「信ちゃん、聞いて!」 信 子「いやぁぁーーーっ!」 少し間……。 あいこ、考える。 しゃがんでいる信子の前に移動し、優しく諭すように言う。 あいこ「ほな、聴かんでエエよ」 信 子「え?」 信子、あいこを見上げる。 あいこ「ほら、こんなとこにしゃがんでたら、服が汚れるで」 優しく支えて起ち上がらせる。 信 子「うん……」 信子も素直に従う。 あいこ「信ちゃん、ちょっとだけ、目ぇつぶっといてくれへんかな」 漫画で騙してキスするパターンと同じ。 信 子「え、なんで?」 信子は勘違いして期待する。 あいこ「エエから、私がエエって言うまで絶対に目ぇ開けんといてな」 信子ドキドキしながら。 信 子「う、うん。わかった……」 目をつぶる信子。キス待ち受け状態。 あいこは信子の勘違いには気づかない。 ここで魔女見習いに変身する。 × × (あいこ変身バンク) × × あいこ「プリティー・ウィッチー・あいこっちー」 × × (あいこ魔法バンク) × × あいこ「パメルク・ラルク・ラリロリポップン。あたしと信ちゃんを、走る少女完結 編の最後のシーンへ連れて行って」 【25】(まっ黒) な中、信子が目をつぶっている。 あいこ「信ちゃん、もうええで。目を開けてみぃ」 信 子「う、うん……」 目を開ける信子。 【26】(走る少女の世界の、教会の中) で結婚式が行われている。 席には、走る少女の中で(クラスメイト等が演じる)両親や友人知人が集 まり、これから結婚しようとする二人を祝福している。 信子は信彦に、あいこは女子大生あいこに変身している。 それぞれスーツにウェディングドレス姿。 これから指輪の交換を始めるところである。 信彦(信子)「え、ええ〜。どうなってんの〜」 驚く信子(信彦)。 ― 8 ― あいこ「どうって、私たちの結婚式やん。もう、しっかりしてぇやぁ」 ここから信彦声。モノローグだけ信子声。 信 彦「え、ああ、うん(あいちゃん綺麗……)」 ドレス姿に見とれ、なんとなく状況に納得する。 あいこと結婚ということもあり乗り気に。 信子気づく。 信 彦(これって、私が書いた『走る少女』のラストシーンだわ。あいちゃんと信彦 が結婚して、ハッピーエンド……) と、モノローグで言う。 神父が進行をする。 神 父「新郎、信彦」 スーツ姿の信彦が神妙にこたえる。 信 彦「はい」 神 父「汝、横川信彦は、妹尾あいこを妻とし、貧しいときも、 富めるときも、病め るときも、健やかなるときも、その命ある限り、妻として愛することを誓い ますか?」 信 彦「誓います」 と、信彦ノリノリで言う。 神 父「新婦、あいこ」 ウェディングドレス姿のあいこが神妙にこたえる。 あいこ「はい」 神 父「汝、妹尾あいこは、横川信彦を夫とし、貧しいときも、 富めるときも、病め るときも、健やかなるときも、その命ある限り、妻として愛することを誓い ますか?」 少し間があり、決意をする。 あいこ「ごめんなさい」 信 彦「ええっ!?」 驚く信彦。 小説と違う行動をしたので世界が止まる。 動き、色があるのは、あいこと信彦だけ。 あいこ「信ちゃんが私のことを好きやって言うてくれる気持ちは嬉しい。でも、私は 今、誰かと付き合うとか、そういう気持ちにはなれへんねん」 ここから姿は信彦、声は信子。 信 彦「やっぱりあいちゃんは、私のこと嫌いになったんだ」 あいこ「ちがうて! 私が信ちゃんのこと嫌うわけないやん」 信 彦「ちがわないわよ!」 信子が強い口調で言う。 あいこ「信ちゃんと指輪交換はでけへんけど。その代わり……」 信彦の額にキスする。 信 彦「あいちゃん……」 キスした状態のまま、魔法が解ける。 【27】(川原) 元の姿に戻ったあいこが信子の額にキスをしている。 唇を離す。 ― 9 ― あいこ「友達のキス。今の私にできる、精一杯の気持ち。これやったらアカン?」 信 子「ううん、うれしい……」 信子、喜ぶ。 あいこ「ほなMAAHO堂行こ。みんな心配してんで」 あいこが信子の手を握る。 信 子「うん」 信子も手を握り返す。 あいこ・信子「あははっ」 二人とも笑顔。仲直りできて嬉しい。 手を繋いで走り出す。 信 子「でも、諦めたわけじゃないから」 と、独り言のように言う。 あいこ「ん、何か言うた?」 信 子「えへへ、なんでもなぁい」 モノローグで、 信 子(いつかきっと、ね、あ〜いちゃん) 画面暗転……。 【28】(エピローグ・黒バック) の右上に丸枠、みほが生首(かバストアップ)で登場。 みほが頬を染めながら。 み ほ「ねえ、信ちゃん」 黒バック左下に丸枠、信子が生首(かバストアップ)で登場。 信 子「ん、なあに、みほみほ?」 み ほ「あいちゃんって、かっこいいよね」 信子が喜んで。 信 子「そうなのよ、やっとみほみほにも解ったのね。あいちゃんって、かっこよく て、でもかわいいところもあって、こうギュ―ってギュ―ってしたくなっち ゃうのよ。何ていうか・……」 み ほ「萌え?」 信 子「そう、萌え。あいちゃん萌え〜〜」 信子、みほ、二人一緒に叫ぶ。 信子・みほ「萌え〜、萌え〜、萌え〜、萌え〜……」 黒バック右下に丸枠、あいが生首(かバストアップ)で登場。 ゾクッと寒気がして萎えた顔で言う。 あいこ「うわっ、なんか急に寒気が」 【完】
| ぺペロンさんから頂きました、あい×のぶ小説です〜♪ あい×のぶという無印第6話から続く不朽のカップリングを 台本調のテキストで仕立てたコミカルなお話ですよね〜 ありがとうございました〜♪ |