ご注意小説



1.来場時間は守りましょう!


『L・O・V・E お・ん・ぷ!!』
『L・O・V・E お・ん・ぷ!!』
 建物を揺るがすばかりのコールに、おんぷは困惑気味。
「どうしちゃったの、この大騒ぎ!? 10時前の来場はダメって約束でしょ!?」
 どれみがびっくりしながら尋ねた。
「あたしもね、困ってるの。まだ始まるまですごい時間があるのに」
 建物の周りは、日本中から集まったおんぷファンで埋め尽くされている。
「ここは一つ、おんぷちゃんが出て説得! 当たって砕けろ〜!」
 ももこが拳を振り上げる。
「いや、そやからな? 前にも言うたように、砕けたらあかんやろ」
「それに、この状況でおんぷちゃんが出て行ったら、余計に危ないわ」
「オヤジーデも黙ってないよね」
 あいこ、はづき、ぽっぷも考えあぐねる。
「分かった! ハナちゃんが何とかしてあげる!」
『え〜!!??』
 全員が止めようとしたが、
「ポ〜ロリンピュアリン ハナハナ〜 ピッ!
約束を守れない人たちは、浅草の都産貿へ飛んでけ〜!」
『うわ〜〜〜!!』
 おんぷファンの悲痛な声が、彼方へと消えていく。
「あ〜あ。やっちゃった」
 どれみがつぶやいた。
「ハナちゃん。いくらなんでも、大阪から東京まで飛ばしちゃうなんて」
 はづきのメガネが曇る。
「それに、『都産貿』なんてマニアック過ぎるで」
 あいこも、中途半端なツッコミになってしまった。
「やっぱり、『当たって砕けろ〜!』!!」
 ももこだけは、まだ拳を突き上げていた。

 みなさん。近隣の迷惑になりますので、来場時間は守りましょう。


2.入場にはカタログを!


「う〜ん。じゃあ、こことここと、あとはあそこね」
 ぶつぶつつぶやきながら、はづきが冊子を片手に蛍光ペンで、何やらチェックしている。
「は〜づきちゃん! 何してるの〜?」
 どれみが飛びかかって来た。弾みではづきは冊子を落としてしまう。それを拾ったのはおんぷだった。
「ふふっ。はづきちゃん、この『やだ×はづ』って言うのに、たくさん○が付いてるのは、どうして?」
「あああ〜〜〜。そ、それは! ばあやに頼まれて――」
 はづきはうろたえた。どれみも覗き込む。
「これなあに?」
 全員がぶっ倒れる。
「NO! どれみちゃん! これはカタログって言って、みんなに1冊ずつ買ってもらう、入場券みたいなものなのよ!」
 ももこの説明を受けて、改めてしげしげと、どれみはカタログを見る。
「へ〜。参加してるサークルさんがすぐに分かるね。便利そう〜」
「それだけやないで。注意事項やいろんな情報が載っとるんや」
 はづきはやっと返してもらったカタログを、大切そうに胸に抱くと、
「スタッフさんが売っているところ、どれみちゃんも見たでしょ? 1人1冊、必要なの」
「じゃあ、あたしは魔法で出しちゃお!
ピ〜リカピリララ ポポリナペ〜ペルト!
カタログ、出て来〜い!」
 ぼわんと煙が上がり、床に1冊のカタログが。
「ラッキ〜! って、……え? あれ!? お財布からカタログと同じ値段のお金が、消えちゃったよ〜」
「ズルはあかん! どれみちゃん!」
「は〜い。……で、はづきちゃん。『やだ×はづ』って何?」
 また全員がぶっ倒れた。

 一般参加の方は、前もって同人誌ショップなどで、また当日、スタッフさんから1人1冊購入してくださいね。それが入場証になります。


3.会場内でのお約束!


「けほっ、けほっ」
 はづきが咳き込んだ。
「何や、これ!? タバコの煙やんか!」
 あいこの表情が怒りモードに切り替わる。
「こっちはお酒臭いよ〜」
 鼻をつまむハナ。
「Oh! マナーがなってない! アメリカだったら大変よ!」
「会場内で飲酒・喫煙なんて、あたしのコンサートだったら、ファンのみんなに半殺しにされるわよ」
「うん! 今度はあたしが!」
 ぽっぷがポロンを振りかざす。
「ピピット〜 プ〜リット〜 プリタ〜ンペ〜ペルト!
みんなアタマから水をかぶっちゃえ!」
『うわ〜!』
「あ、あっちは走ってる人が!」
 どれみが目ざとく見つけた。
「ホンマや! 列に割り込もうともしてるで!」
 あいこも発見!
「NO! 酔っぱらいたちがケンカしてる!」
 ももこが悲鳴!
「わたしがやるわ!」
 今度ははづきがポロンを。
「パイパイポ〜ンポイ プ〜ワプワプ〜!
会場内のルールを守れない人は、ここから出て行って〜!」
『はうわ〜!』
「これで安心NE! アヒャヒャヒャ!」

 会場内では、走ったり、並んでいる列に割り込んだり、暴力行為などは止めましょう。
 特に、飲酒・喫煙なんてもっての外です!


4.お子様連れの親御さんへ!


「お姉ちゃん! ちょっとあれ見てよ!」
 ぽっぷが指差す先には――。
「うわ〜! 何であたしの裸があるの〜!」
「おんぷちゃんも、あっち!」
 さらにぽっぷが指差す。
「……もう、チャイドルとしてやっていけない」
 おんぷの表情に、暗い影。見ると、おんぷの○○○○シーンが――。
「アタシが注意するわね!
ペル〜タンペットン パラリラポン!
18禁エリアでは、お父さん、お母さん、気を付けて〜!」
 ももこのポロンから光が!
「これで会場内も安心やな」
「あたしにも、あれだけ胸があれば――」
「何か言うたか、どれみちゃん?」
「う、ううん。なんでもないよー(汗)」

 会場内では、18禁同人誌などの頒布を行っているエリアがありますので、親御さんはくれぐれもご注意ください。


5.体調管理に気を付けて!


「何だか……気持ち悪い」
 はづきが口元を、ハンカチで押さえている。
「大丈夫!? はづきちゃん!?」
 どれみが駆け寄る。
「これだけの人たちが集まると、空気もだんだん悪くなるわ」
 おんぷとどれみで、はづきの体を支える。
「Ah! 頭痛がするよ〜」
「ももちゃんまで! あたしがスタッフさんに、今知らせるわ!
プ〜ルルンプルン ファ〜ミファ〜ミファ〜!
気分の悪い方を助けてあげて!」
 はづきとももこの体が、光に包まれ――。
「ありがとう。どれみちゃん、おんぷちゃん。もう平気よ」
「アタシも治った〜!」

 会場内では、大勢の人たちが集まります。人混みなどが苦手な方は、特に体調管理にご注意ください。もし気分などが悪くなったりしたら、スタッフさんにすぐ、声をかけましょう。


6.何かあったらスタッフに!


「それにしても、大勢の人だね〜」
 どれみは感慨深げだ。
「みんなが安心して楽しめるのも、スタッフさんのおかげよね」
 はづきはそう言うと、ふと思い出したように、
「そう言えば、わたしたちは何もしないでいいのかしら?」
「ふっふっふ――。ウチの魔法がまだ残っとるやろ?
パメルク〜 ラルク〜 ラリロリポップン!
ウチの本当の役目を現して〜!」
 光に包まれるあいこ。そして――、みんなの前にあいこが掲げたもの。それは!
『スタッフ証だー!』
「今回は大阪やろ? せやさかい、ウチが特別に認定されたんや!」
 自信満々のあいこ。
「困っとる人、気分が悪くなってもうた人、み〜んなまとめてどんと来いや!」

 何か気付いたことや、心配なこと、気分が悪くなったりしたら、近くのスタッフさんに声をかけてくださいね


7.そして――


 眩しく光る、あいこのスタッフ証。それを見たどれみは、
「はは〜っ」
「どれみちゃん。……土下座しなくても」
 おんぷが苦笑い。
「いや〜、何かあいちゃんのスタッフ証が、印籠に見えて。偉い人にはやっぱ、土下座かな〜って」
「ちゃうで、どれみちゃん」
「え?」
「このイベントは、サークルさん、参加してくれた人たち、そしてスタッフ。み〜んなが協力し合って作って行くものや。せやからこそ、一人一人の心掛けが大切なん、ちゃう?」
「Yes! あいちゃんの言いたいこと、分かったよ!」
「そうだね。お姉ちゃんみたいなドジでも、たっくさん楽しめるもんね!」
「ぽっぷちゃんたら」
「でも、どれみちゃんには――」
 はづきとおんぷの視線に、
「な、何!? そんなにあたし、ドジ!?」
 うろたえるどれみ。
「ハナちゃんも、どれみよりはドジじゃないもんね!」
 それを聞いて、
「も〜、みんなで。ぷっぷのぷ〜」
 どれみ以外、みんなが笑う。しかし、どれみもすぐにつられて、笑顔になった。
「大勢の人が来てくれてるんだもんね」
「本当。サークルさんが作ってくれた一つ一つに、愛情がこもっているもの」
「みんなお姉ちゃんみたいに、楽しそうだね!」
「そうね。あたしのコンサートみたいに、みんなの笑顔が一番だわ」
「ハナちゃん、早くサークルさんの方に行きたいよ〜」
「Ah! アタシも一緒に、当たって砕けろ〜!」
『だから砕けちゃダメなんだって!』
「アヒャヒャヒャ!」
「よっしゃ!」
 あいこが気合を入れる。
「みんな? 最後にアレ、行っとくか?」
 うなずくみんな。どれみを中心に、ポロンをかざす。そして――、

「マジカルステージ! みんなが楽しめる『おジャホイっ!4』になれー!!」


おしまい。
JUN.20,2006